ちょっと知るだけでもっと楽しい!
お料理をおいしく楽しむためのだしの基礎知識
お料理が大好きな方にも現在勉強中の方にも知ってもらいたいのが「だしの基礎知識」
せっかく「だし」と「うまみ」に関して優れた文化を持つ日本に生まれたからには知っておきたいところ。
そしてその知識を実際のお料理に活かせば、お料理のレベルUP間違いなしです!
- だしとは?
そもそもだしって何を指すの?
だしとは素材のうまみを引き出したものであり、調味料で味付けされる以前のもの。
天然素材の持つパワーで料理のベースとなります。
だしはすべての素材から出るとされており、以下のように様々な分類ができます。
(ⅰ) 独立してとれるもの/自然にとれるもの
独立してとれるもの…昆布・かつお節・煮干し・乾しいたけ・西洋のブイヨンや中華の湯など
自然にとれるもの…鍋料理・煮込み料理・炒め物など具材から自然に出るだし
(ⅱ) 乾物だし/生鮮野菜だし/魚介類だし/肉類だし
乾物だし…かつお節・昆布・煮干し類・乾しいたけ・干し野菜などから取れるだし
生鮮野菜だし…たまねぎ・にんじん・セロリ・トマト・白菜・キャベツ・ネギ・生姜などから取れるだし
魚介類だし…まぐろ・鯛などの鮮魚やあさり・しじみなどの貝類、エビ・カニなどの甲殻類から取れるだし
肉類だし…牛肉・牛骨・豚肉・豚骨・鶏肉・鶏手羽先・丸鶏などから取れるだし
- 料理におけるだしの位置づけ
だしってなぜ必要なの?
だしは風味・香り・余韻などを持つ、料理のベースとなるものです。
例えばスープは、だしに調味料(料理のさしすせそなど)と具材を加えたもの。
だしを取らなくったって料理はできている!だしなんて取ったことない!という方もいるかもしれません。
でも、和風だしの素やコンソメのキューブ、中華だしのパウダーなど、だしの成分が入った調味料を何気なく使っているはずです。
また、煮込み料理などで野菜や肉・魚から自然に出てくるおいしさを感じたことはありませんか?
それこそ天然素材の持つパワー、つまりだしなのです。
- だしのうまみの正体
英語でもUMAMI、日本人研究者が発見したうまみとは?
世界でも群を抜いて、繊細で奥深い味を持つ日本料理、和食。
そのおいしさの秘訣であるだしのうまみを科学的に見てみましょう。
だしとなるうまみは主に3種類。
グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸です。
グルタミン酸は野菜類、イノシン酸は肉・魚、グアニル酸はキノコ類から引き出すことができます。
日本人研究者が発見したうまみは現在、甘味・塩味・酢味・苦味と並んで基本味のひとつと認められ、海外でもUMAMIと呼ばれています。
英語では言い表す言葉がなかったといううまみによって和食は成り立っているのです。
- うまみの相乗効果
組み合わせるとさらにおいしくなる!
和食のだしの基本である昆布・かつお節や煮干し・乾しいたけのうまみ成分はそれぞれ、グルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸。
これらのだしって組み合わせて使うことが多いですよね?
その理由はかんたん「うまみには相乗効果があるから」
単独で使うよりも組み合わせて使うほうが強いうまみを感じるのです。
植物性のだしと動物性のだしを組み合わせる例として、中華料理の鶏ガラとネギ、西洋料理の牛スネ肉と玉ねぎなどが挙げられます。
人間は昔から「うまみの相乗効果」を本能的にわかっていたようです。
お料理をおいしく楽しむためのだしの基礎知識、いかがでしたか?
日本のだし文化の素晴らしさを今まで以上に感じていただけたら、そしてそれを実際のお料理に生かしていただけたら幸いです。