福岡のだしソムリエ、加治佐由香里です。
だしを専門的に学び始めてから、外食をする時に「だしに何の素材が使われているか」を意識する様になりました。
日本料理店では昆布やかつお節のだしが中心ですが、蕎麦やうどんの専門店では、もっと強いだしの香りを感じます。
これはかつお節以外の「雑節」から取られるだしで、いくつかの節を合わせて「混合節」として用いられることが多い様です。
では、混合節にはどの様な種類があるのか、ご紹介しましょう。
①まぐろ節
脂の少ないキハダマグロが原料で、1.5~3kgのものが節に加工され、小さいものは「キメジ」と呼ばれます。
カビ付けした枯節は少なく、荒節が殆どで、だしは色が薄く、クリアーで上品。
関西の料亭や割烹などの高級店で好まれます。
②宗田かつお節
マルソウダカツオ、ヒラソウダカツオが原料で、高知県の土佐清水が一大産地。
味も色も濃厚なだしが取れるので、かつお節やさば節と混合して蕎麦、うどんのだしとして利用されます。
一尾を二つに割った「割節」が主体ですが、小さいものは丸ごと節にし、「丸節」と呼ばれます。
関西では「めじか節」とも呼ばれ、2~3月が漁期の「寒めじか」が良質です。
③さば節
脂の少ないゴマサバが主原料で、大きさによって「割節」「丸節」に」加工されます。
かつお節同様、煮熟、焙乾の工程を経て作られ、カビ付けをした「さば枯節」は関東の蕎麦屋で需要が高くなっています。
さば節はうまみが強く、雑味が少ないのが特徴です。
殆どが削り節として流通し、関東では厚削りが、関西では薄削りが、かつお節や宗田かつお節と合わせた混合節として使用されます。
④いわし節
いわし節は関西以西のうどん店などで主に使用されています。
主な産地は九州で、カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシを原料とし、煮干しとは異なる風味があります。
カタクチイワシのだしはやや黄味がかっており、あっさりとしただしがとれます。
マイワシのだしは香りがしっかりとしていて、味は淡白でまろやかです。
ウルメイワシは脂肪が少ないのでクセがなく、コクとまろやかさが特徴のだしが取れます。
以上、主な雑節を御紹介しましたが、これらはかつお節とはまた異なる風味、香り、味わいがあるだしが取れるので、麺類や濃い味の煮物などしっかりとしただしが取りたい場合に向いています。
様々な節の特徴を料理に活かし、料理の幅を広げていきたいものですね。